
日本、それも東京勤務時代はお金を払って買ったという記憶がない「ポケット・ティッシュ」。3年前に東京に行った際には、いろいろな広告が入ったポケット・ティッシュが駅前でまだ配られていましたが、現在はどうなのでしょうか。
シンガポールでは、残念ながら(?)駅前やその他の繁華街でチラシを配っていることはあってもポケット・ティッシュは配っていません。よってポケット・ティッシュはお金を出して買っています。スーパーやコンビにで買う場合がほとんどです。普段はそれほど使わないのですが、たまに屋台(ホーカーセンター)などに食事に行った時などはとても重宝します、といいますか、結構必須アイテムです(笑)。持っていないときなどは、テーブルを回ってそのポケット・ティッシュを売っているおじさんやおばさんから購入することになります。値段は、あまり買わないのでよく分かりませんが、だいたい3つで1ドルくらいでしょうか。
最近知人とホーカーセンターに行って、さあて頂きましょうという段階になって知人がおもむろにポケット・ティッシュを取り出して、「もし必要ならどうぞ使って下さい」といいました。おぉ随分準備が良いと思いながら、私は有難くそのポケット・ティッシュを頂くことにしました。そして、しばらく談笑しながら食事をしていると例のポケット・ティッシュ売りのおじさんが片手に3つ、もう一方の手にぶら下げたプラスチック製のバックに大量のポケット・ティッシュを持って売りに来ました。行く先々のテーブルで断られているのが目に入ります。みんな高いと思っているから今直ぐ必要でなければ買わないのです。そんな日常の光景に目をやっていますと、やがておじさんは私たちのテーブルにたどり着きました。いや、おじさんがたどり着く前に、私は防止線を張っていて(笑)、「おじさん、ティッシュは要らないから来ても無駄だよ。」と無言のジェスチャーをしたその時、知人は右手を高く上げておじさんに合図すると、その下ろした手でテーブルの上に1ドルコインを置いたではないですか!これって、「そのティッシュ3つもらった」の合図に他なりませんっ!
ええっ?ティッシュ、あるじゃないですか?なぜ買うのですか?という私のいかにも解せない、といった感じの問いに対して、知人は一言こう言いました。「大変そうなので、買ってあげたいのです。」
私はその知人の心の大きさに感動するとともに、今その瞬間、周りのほかの人達と一緒になってそのおじさんを体よく追い払おうとしていた自分の心の狭さは恥じました。そうなんです。彼らも生活が掛かっているのです。今は必要のないティッシュかも知れませんが、1ドルは出せない金額ではありません。それなのに、スーパーで買えばもっと安いのに、1ドルで売るなんてけしからんと目くじらを立てるのは度量が狭いということでしょう。おじさん、おばさん、そのティッシュ、私も買わせて頂きやす(笑)。
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