【2026年最新】EP申請の給与基準引き上げとCOMPASS制度解説
シンガポールで働くために必要なEP(Employment Pass)について、2026年から給与基準が引き上げられることが発表されました。
「これからEPを申請しようとしている人は影響があるのか」
「すでにEPを持っている場合、更新は大丈夫なのか」
と不安に感じている方も多いと思います。
本記事では、EP申請に必要な給与基準の変更内容と、ポイント制評価制度であるCOMPASSについて、公式情報に基づいて分かりやすく整理します。
1、EP申請ができる人
EP(就労ビザ)を申請するには、以下の2つの条件をクリアする必要があります。
条件1: 給与の基準を満たすこと
年齢に応じたPMET (ピーエムイーティー:シンガポール人の専門職のこと。英語のProfessionals、 Managers、 Executives、Techniciansの頭文字を取ってこう呼ばれています) の給与の上位3分の1以上を稼いでいることが必要です。
条件2: ポイント審査に合格すること
COMPASS(コンパス:補完性評価フレームワーク)というポイント制の審査に合格する必要があります。 ※免除される場合もあります。
条件1: 給与の基準について
新しくEPを申請する場合も、更新する場合も、以下の最低給与を満たす必要があります。
2025年中に期限が切れるパスを更新する場合
一般業種(金融サービス以外)
- 最低月給:5,000ドル
- 23歳から年齢に応じて段階的に上がります
- 45歳以上の場合:10,500ドル
金融サービス業
- 最低月給:5,500ドル
- 23歳から年齢に応じて段階的に上がります
- 45歳以上の場合:11,500ドル
2025年1月1日以降の新規申請、または2026年以降に期限が切れるパスの更新
一般業種(金融サービス以外)
- 最低月給:5,600ドル
- 23歳から年齢に応じて段階的に上がります
- 45歳以上の場合:10,700ドル
金融サービス業
- 最低月給:6,200ドル
- 23歳から年齢に応じて段階的に上がります
- 45歳以上の場合:11,800ドル
条件2: COMPASS(ポイント審査)について
COMPASSは「Complementarity Assessment Framework」の略で、ポイント制の審査システムです。
COMPASSの目的
- 公平で分かりやすい基準で外国人専門職を採用できるようにする
- 企業が将来の人材計画を立てやすくする
- 優秀な外国人と現地の人材のバランスの取れた職場を作る
- 様々な背景を持つ人材が活躍できる多様性のある職場を実現する
COMPASS 合格要件の概要
COMPASS(コンパス) に合格するためには、40ポイント の獲得が必要です。
この評価は、候補者の個人属性と企業関連属性に基づいて構成されています。
🔹 基礎的評価基準 (Foundational Criteria)
| 基準 | 属性 | 説明 |
|---|---|---|
| C1. 給与 | 個人属性 | 当該セクターの現地のPMET(専門職、管理者、幹部、技術者)の給与基準に対する、候補者の給与の相対的な位置づけに基づいて評価されます。 |
| C2. 資格 | 個人属性 | 候補者の資格に基づいて評価されます。 |
| C3. 多様性 | 企業関連属性 | 候補者が企業の国籍の多様性を改善するかどうかに基づいて評価されます。 |
| C4. 現地雇用の支援 | 企業関連属性 | 業界の同業他社と比較した、企業の現地PMETの雇用シェアに基づいて評価されます。 |
🔸 ボーナス評価基準 (Bonus Criteria)
| 基準 | 最大獲得ポイント | 説明 |
|---|---|---|
| C5. スキルボーナス | 最大20ポイント | スキルが不足している職種に候補者を雇用する場合に付与されます。 |
| C6. 経済戦略的優先事項ボーナス | 最大10ポイント | 政府との間で、野心的な投資、イノベーション、国際化、または企業・労働力変革活動に関するパートナーシップがある場合に付与されます。 |
重要なポイント
上記のことから、まずは条件1の給与基準を満たしていること、そして条件2でどれだけ高いポイントを獲得することができるかがEP申請、そして取得のカギになります。
筆者の所感
※以下は、シンガポールで就労してきた筆者個人の経験に基づく所感です。
今回のEP給与基準の引き上げは、突然厳しくなったというよりも、ここ数年の流れが明確な形になったものだと感じています。これは単なる「値上げ」ではなく、シンガポールの労働市場政策全体の流れの中で位置づけられた調整です。景気が悪くなったと一般的に言われているシンガポールでも、政府の見通しはまだまだ大丈夫という感覚なのだと思います。
一方で、これからシンガポール就職を目指す方にとっては、EP申請のハードルはより高くなったと言えるかもしれません。そのため給与水準や職種選びを含め、制度の変更点を正しく理解した上で行動することが、これまで以上に求められています。
上記の「ボーナス評価基準」で説明した通り、シンガポール人が持っていないスキルを持っている人材、またはシンガポール政府が力を入れている政策分野に精通している人材を優遇するというのは、シンガポール政府にとってEPの本来の目的です。それらの強みを持ち合わせている方にとっては、給与基準さえ満たせばEPは取得しやすいと思われます。
まとめ
※制度内容は今後変更される可能性があります。
最新の情報は シンガポール人材開発省(MOM)の公式サイト でご確認ください。