コストか能力か
在シンガポールの日系企業や欧米企業が日本人を現地採用の待遇で雇用する一番の理由は「コスト」です。いわゆる駐在員を置くよりは安く済むという発想です。
ところがまれに、“自社内にもいないような高い能力、特殊な能力を持った人材”を探して欲しいと頼まれることがあります。そういった人材は探せばいます。でも見つかる確立が高いのは断然日本です。ですが採用側の企業が提示するオファーはシンガポール現地の給与体系です。日本においてでも高給を得ている人たちに対してそのようなオファーが魅力的に映るでしょうか。どうしてもシンガポールにこなければならないと行った何か特別な理由がない限り、現職を辞めてまでシンガポールに行こうという人はまずいません。
様々な調査結果が示す通り、シンガポールはとても働き安い国だと思います。そのことには私も同感なのですが、やはり能力に対しては対価を支払うというスタンスは大切たと思います。お金だけのために働くということではないのですが、給料も働く意欲に繋がる重要なファクターのひとつであることは間違いありません。また欧米企業にありがちなアジアは十把一絡といった発想は止めてもらいたいと思っています。
日本では終身雇用制度が崩れたと言われて久しく、そのためこれから益々人材の流動化が起こってくると思われます。そうなると自社内に適材がいないという現象は今よりも多くなってくると思います。能力を求めるのだったら現地採用は駐在員よりも安く雇えるという発想はやめなければならないと思います。
能力のある人材の給料は上がります。ますます自分を磨いていかなければならない時代に入っているのだと感じています。