『勤務地シンガポール』

シンガポールで23年働き・起業した日本人が伝える現地就職・生活のリアル情報

喫茶という文化


 先日ある方と話をしていて趣味や好きなものは何かと聞かれました。私はとっさに「紅茶」と答えました(笑)。

 そうすると話は自然に、どこのどの紅茶がすきなのか、から始まって、茶葉や産地、そして淹れた時の「水色」、「香り」、「味」の方へ行きます。好きなことゆえに話がだんだんとうんちくくさくもなります(笑)。

 オフィスへの帰り道、「紅茶が好き」と言った自分の言葉の意味について考えてみました。

 確かに紅茶は好きで毎日飲んでいます。特にスリランカのウバ茶やヌワラエリア茶を愛飲しています。オフィスではリプトンその他のティーバックを飲みます。外のお店では飲みません。いろいろなところで試しましたが、私の意に適ったティー・サービスを提供していることろは今のところありません。日本にはありますが、シンガポールにはない。ということで、目下のところ、批判を恐れずに言いますと、自宅で自分が淹れる紅茶がシンガポールで一番おいしい紅茶となります(笑)。

 ところがと、もっと考えを進めますと、私は紅茶だけ好きなのではないことに気づきます。日本の煎茶も玉露も、そして様々な種類の中国茶も大好きです。煎茶用専用として集めた備前焼きの器や中国式の茶器セットも、高価なものではありませんが一通りそろえています。

 では「葉っぱ系が好きなのか?」と自問してみると、またしてもそうでないようです。コーヒーも好きなのです(笑)。では「お茶を淹れるという作業が好き」なのかと問うと、なんかだんだん近づいてきたようではありますが、まだちょっとしっくりと行きません。

 オフィスも近くなって最終的にああこれだ!と思いつきました。

 私はきっと「喫茶という文化」が好きなのです。それは「お茶」を介して成立するコミュニケーションなのだと思います。そう言えばと、以前紅茶の師匠から教えて頂いた言葉を思い出しました。「いくら高級で美味しいお茶や“あて”(和菓子やケーキなどの)があっても駄目だ。そこで語られる会話こそが大切なんだ。」という言葉です。趣味は紅茶と答えても、どうも腑に落ちないものがありましたが、それを今度からは、ひとりや友人らと楽しむ喫茶と答えるようにしたいと思います。これはストーンと自分の中で落ちる思いがします(笑)。